過去の一酸化炭素中毒の脳障害と事故による脳損傷が相まって死亡に至りました。夫の損害全額を加害者に請求できませんか。

Q 1年前に夫は一酸化炭素中毒による脳障害を発症しましたが,日常生活ができる程度に回復していました。中毒になった1か月後,夫はバイクにはねられて頭を打ち,記憶や言語を完全に失い,入院を続け,先日,呼吸困難により死亡しました。医師は,中毒と事故による脳損傷が相まって死亡に至ったと言います。夫の損害全額を加害者に請求できませんか。

 

A ご主人の死亡による損害の全額の請求は困難だと思われます。

 交通事故の損害額について,被害者に生じた損害を公平に分担させるため,被害者側の原因・事情により損害が拡大した場合,被害者側の原因・事情を勘案して,損害賠償額がされることがあります(素因減額)。

 最高裁判所は,「事故による受傷と被害者の既往症との両方が原因となって損害が発生した場合,既往症の態様,程度などに照らし,加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,過失相殺の規定(民法722条2項)を類推適用し,被害者の既往症を考慮し賠償額を減額できる。」としました。そして,ご質問のケースと同様の事案において,事故後,被害者が死亡するに至ったのは,本件事故による頭部打撲傷のほか,本件事故前にり患した一酸化炭素中毒も原因であり,この一酸化炭素中毒の程度が軽くなかったこと等を考慮すると,被害者に生じた損害の5割を減額するのが相当だと判断しました。

ご質問のケースでも,死の原因が,交通事故による受傷と元々の疾患(既往症)の双方にある場合には,疾患の程度や諸事情を考慮し,死亡による損害の全額を加害者が負担する必要はないと判断される可能性は高いです。

損害の全額を加害者に請求することは困難と考えられます。


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