運転代行者を頼んだところ,運転者の不注意でガードレールに衝突して骨折しました。車両の所有者自身が被害者になった場合,自賠責保険の請求はできないのでしょうか?

Q 車で通勤した日,急な接待で飲酒し,帰りは運転代行者を頼んで,後部座席で寝ていたところ,運転者の不注意でガードレールに衝突して骨折しました。車両の所有者自身が被害者になった場合,自賠責保険の請求はできないと聞きましたが本当ですか。

A 運転代行業者を依頼していた場合の車両所有者は,例外的に,被害者として運転代行業者に対し,自賠責保険の請求が可能と解されています。

 自賠法3条は,自己のために自動車を運行の用に供する者(「運行供用者 」の意味については3.029を参照)は,その運行によって「他人」の生命または身体を害したときは,これによって生じた損害を賠償しなければならないと定めています。

ここでの「他人」とは,「運行供用者」以外の者とされており,自動車の所有者は運行供用者に該当するため,原則は他人にあたりません。

しかし,複数の運行供用者間で「他人」に該当するか争われる場合,賠償請求者の運行に関する支配の程度が,他方に比してより低い場合である場合に限って,より程度の高い運行支配を有する運行供用者に対し,自賠法上の「他人」としての損害賠償請求が可能であると解されています。

 代行業者に関する判例を見ると,①被害者が,飲酒により安全に自動車を運転する能力,適性を欠き,危険を回避するため自ら運転代行業者を頼んだこと,②代行業者は,運転代行業務を引き受けて,被害者を安全に目的地まで運送する義務を負っていること,の2点を理由に,事故発生を防止する中心的な責任は代行者にあり,被害者の運行支配の程度はより低いとして,自動車保有者が,運転代行業者との関係で自賠法上の「他人」にあたると判断しています。

 本件でも,飲酒のためにあえて代行業者を頼んで,自分は後ろで寝ていたのですから,判例の考え方によれば,自賠法上の「他人」にあたり,賠償請求が可能と考えられます。


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